○リフォームで使うドアの話(屋内用)

1.ドアサイズの変遷・ドアはどんどん大きくなっている!
まずは現状の話ですが、
最新のドアの背丈はずいぶん高くなっていて、
天地のサイズは2300ミリほどもあります。
一般住宅の天井高が2400ミリほどですからほとんど天井まで届くサイズ。
新築なら天井高をその分高く取ればいいだけの話ですが
リフォームではそうもいきません。
昭和建築では建具の高さは約1800ミリ。
トイレや押し入れなど、
場所によっては1700ミリほどのドアもよく見かけます。
平成に入った頃の標準サイズは2000ミリ〜2100ミリで、
当時のアメリカやヨーロッパの標準的なサイズと同じでした。

2.リフォームに最適なのは2000ミリ前後のドア?
このHPでは古い建物のリフォームの話をさせていただいていますが、
そういった建物の平均的な天井高は、2300ミリ〜2400ミリです。
もう少し低いお宅もあるでしょうね。
これからリフォームするのにわざわざ
1800ミリの古めかしいドアを取り付ける必要もないでしょうし、
最新の2300ミリでは場合によっては取り付けられないかもしれません
(枠のサイズを余計に考えないといけませんから)。
自ずと2000ミリ前後のドアを選ぶことになるでしょう。
今のところまだメーカーの既製品で手に入るサイズですし。

size

3.ドア枠の話・枠だって立派にドアの一部!
古い建物では、ドアは柱に直接取り付けられていることが多いです。
しかし最近ではそういった工法はまず見かけません。
壁の開口部にドア枠を取り付けるのが普通です、
というか常識。

ドア枠には三方枠と四方枠とがあります。
三方枠はドアの上と両サイドだけ、四方枠というのはドアの下にも枠があるタイプ。
メーカー品なら、ドアには枠がオプションで用意されているのが当たり前。
丁番や錠を取り付けるための彫り込みも終わっていて、後はドアを吊り下げるだけ、という手軽さです。

海外輸入などのドアやアンティーク品のドアを使いたい方も多いと思います。
その場合、枠は汎用品をサイズカットして使うというのが一般的。
もちろんパイン材などの材木をカットしてドア枠に加工してもらうようなことも可能です。
(枠って、それ単独で買うとわりと高いです、実は。三方枠の新古品で1万円前後)

 

4.ドアハンドル&錠の話
ドアハンドルは、
新品のドアを購入する場合はオプション扱いになることが多いです。
その分逆に他のメーカーのものを取り付けるような自由もあるわけです。
ただしここで注意しないといけないのが、錠の種類と角芯の太さ。
だいたいの統一規格はあるのですが
メーカーが違うと取り付けがすんなりいかない場合もありますので。

ドアハンドルは、錠とセットで売られていることが多いです。
錠というのは、ドアの中に埋め込むパーツのことですが、
いくつか種類があって、現在の主流は箱錠かラッチ錠の2種類です。
それ以外には円筒錠というのも昔はよく見かけました。
メーカーの既製品として売られているドア&ドア枠は、
箱錠用の彫り込み加工が施されたものがほとんどです。
箱錠の大きさには統一規格がありますので
錠そのものはほぼそのままどんなドアにも取り付けられるはずです。
ただ、海外のものや古い箱錠になると規格がバラバラなので、
ドアに穴を開け直したりといった加工が必要になるかもしれません。

ラッチ錠は埋め込みの深さによっていくつか種類があります。
50ミリ(51ミリ)か60ミリの2種類が標準サイズです。
円筒のノブ(握り玉)用とドアハンドル用で
ドアを開閉するために回す角度が違うので注意が必要です
(安売りしているものは大きく回して開閉する円筒ノブ用のが多い)。

錠には形やサイズ以外にも用途による違いというのもあります。
空錠、間仕切り錠、表示錠の3種類。
空錠はカギのないもの、間仕切り錠は寝室などに使われるカギのあるもの、
表示錠はトイレやお風呂用で使用・不使用のサインが出るものです。

 

ネットでドアを買う場合は、
ドア枠やドアハンドルがセットになったモノを
購入されることを強くオススメします。
新古品やモデルハウスの取り外し品なら
それほど苦労しなくても見つかるはず。
…と言いつつ、蒐集癖のある私は
安くて面白いドアハンドルを見つけるとすぐ買ってしまいます。
失敗も多いです。
バカです。

○箱錠(ボックス錠)
box_jou
(右吊り元・左吊り元兼用のモノが一般的。
吊り元固定のモノもあるので要注意)

○ラッチ錠
ratch_jou
(50ミリか60ミリが標準。
スライド式で
両方に対応しているモノもある)

○円筒錠
entou
(ドアに大穴を開ける必要がある)

○角芯
kakusin
(スペック上は同じサイズでも、
メーカーが違うと流用できないことが多い)

○ストライク
strike
(錠を引っかけるために
ドア枠に取り付ける部材)

 

5.丁番(ちょうばん/蝶番・ちょうつがい)の話
せっかくのいいドアには、ちょっと凝った丁番を使いたいところですよね。
丁番は、ヤフオクやネット通販で安く買えることが多いです。
まとめ買いしておいてもそれほどかさばらないってのがいいところ。
ドアの厚みによって使える丁番の大きさは変わってくるので注意してください
(一般的なドアの厚みは30ミリ前後です)。
ドアかドア枠のどちらかに彫り込みを入れて取り付けることが多いですが、
右で紹介する旗丁番のように彫り込みなしで使えるモノもあります。

ちなみに、丁番を付け替えて
吊り元を簡単に変更できると思っておられる方が意外に多いようですが、
それはたいていの場合無理です。
と言うか、わりと面倒な工事になります。
ドア枠やドアを彫り直したり接ぎ木したり、
場合によっては取り替えるしかないこともあるでしょうね。
ドア枠を取り替えるには周囲の壁の工事も必要になります。

 

6.ドアストッパー&ドアクローザーの話
ドアを乱暴に開け閉めしてしまいドアハンドルで壁を傷めてしまった
なんてことになると貸家ならずともテンションが下がります。
そういうことの予防をするために最もポピュラーなのが
ドアストッパーです。ホームセンターで多くの種類が売られています。
私がよく使うのは壁に取り付けるゴム製半球状のもの。
両面テープで簡単に取り付けられるところが気に入っています。
ドアとドア枠をつなぐタイプのものもありますが、
取り付けに慣れが必要なので初級者にはオススメしません。

いいアンティークドアを使った場合など
どうしても乱暴に開け閉めされたくな〜い!
というときの強い味方になってくれるのが
ドアクローザーです。
ドアを自動的に閉めてくれるというだけでなく
任意の位置で開いたままにでき重宝する場所もあるでしょう。
木製ドア用の軽くて小型のモノなら2〜3千円で手に入ります。
ドアクローザーは新品購入をオススメします。
新品なら型紙が付いてて取り付けが楽チン。
新古や中古はそういった点で不安…。

 

7.ドア下10ミリの話・自然換気で空気の澱みを断つ!
最後に、ちょっと思い出したマメ知識をひとつ。
最近のドアの取り付けでは、
ドアの下(床とのすき間)を10ミリほど空けておくのが一般的です。
「自然換気」と言って、ゆるやかな空気の流れができて
湿気が溜まったりするのを防いでくれます。

○旗丁番
hata
(彫り込みなしで取り付け可能。
ドアを持ち上げるだけで枠からはずせる。
…全部がそうじゃないかも)

○アンティーク風丁番
noble
(「ノーブル」「ウィンザー」など各種あり。
アンティークドアにはコレでしょう!

ただしちょっと高め。
これはヤフオクで250円ほどだったのをまとめ買い)

○ドアストッパー
stopper

stopper

○ドアクローザー(ドアキャッチャー)
closer
(木製ドア用と金属ドア用があるので要注意)

 

※右吊り元と左吊り元ってのはこういうこと
(右吊り元)
migituri

(左吊り元)
hidarituri
(ドアを上から見たところ)

 

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